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11月21日・22日 奈良で行われた学会に行ってきました。
21日の休診を知らずに来て頂いた方がおられたら申し訳ないです。
さて、学会は文字通り小児のアレルギーの病気(喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーなど)を中心に勉強できる会です。
喘息の治療に関してはオノン・キプレス・シングレア等の内服と吸入ステロイドの2本柱でほぼ確立した感じがあります。喘息は慢性の病気ですからこれらの薬を『長期』に投与して症状が出ない様にするわけですが、『長期』の目安は・・・無症状の期間が1年半~2年が目安です。ただ、吸入ステロイドは少ないながらも体内に吸収するので成長障害(身長の伸び)と副腎機能に注意しながら使いましょうということでした。吸入ステロイドはけっして怖い薬ではありませんので誤解のないようにして下さい。今の注目点は治療を開始して症状が出ない状態にコントロールした後、いかに薬を減らし止めて行くかということでしょう。それと重症喘息に対する新しい薬の話題でしょう。
アトピー性皮膚炎に対しては、入浴(ゴシゴシ擦らない)と保湿が重要、湿疹の部分に対してステロイド軟こうを塗る は以前からかわりなく言われています。今回スキンケアのセミナーを受講して来ましたので気になる方は外来でお話しします。
食物アレルギーに関しては、完全除去よりは食べられる量を見極めて積極的に食べていく方が良い、という方向に進んでいます。ただ、外来診療や家庭では『いかに安全に』食べていくかが問題になります。この『安全に』が課題で、まだ確立した方法は出来ていないのが現状です。症状が出ていないのに血液検査の結果や、兄や姉がアレルギーがあるからという理由で食物の除去を指導されている方もいます。今までに起こった症状なども考慮して、軽症なら一度外来で食べてみて、一緒に家庭でも食べられる量を見つけて行きましょう。しかし、重症の食物アレルギーの患者さんはやはり危険を伴いますので、呼吸器・アレルギーセンターなど専門施設に相談される事をお勧めします。勿論、紹介状は書きますのでご心配なく。