新学期が始まって1週間が経ちました。お子様は元気に学校や保育所、幼稚園に通われていますか?長い夏休みで生活リズムも崩れがちで、行ってきますと元気に家を出る事が難しかったお子様もおられるのではないでしょうか。我が家の中学生の娘と高校生の息子も学校が始まり、同時に私の4時起きが再開され、お弁当作りに励む毎日が始まりました。健康が取り柄で学校には元気に通う我が子。楽しく通える学校であることにまずは感謝と、優しいお友達にも感謝です。そして学校に元気に通っている事。それだけでも本当に素晴らしいことだと思います。しかし、子どもの将来を勝手な親心で心配し、勉強とかそれ以上のものも望んでしまう私です(笑)
ところで以前働いていた大学病院では、病気の為に長期に学校に行けない子ども達が沢山いました。そして私にはこの時期になると思い出す子どもがいます。8歳の男の子でとにかく学校に行きたいと抗ガン剤の治療も頑張って耐えていたk君。採血も頑張ると嬉しいことに私を指名して手を出してくれていました。痩せて細くなった腕と一文字に閉じた口を見て、「一回で採れるように頑張るからkちゃんも頑張ろうなぁ」って行って多少のプレッシャーの中、無事に採血が終わりほっとしたこともありました。とにかく身体侵襲の強い検査や治療もk君は頑張るんです。この姿は2年目ナースで4月から小児科に移動してきた私には深く心に残りました。今思うとk君の頑張りの源は、付き添っていた母親の力が大きかったと思います。楽観できない子どもの状態に、人知れず自宅ではお母さんもいっぱい涙をこぼしていたんでしょうけれどそういった心情を2年目の若い私は十分にキャッチして看護介入出来ていなかったと思います。今の私ならもっと何か出来ていたと後悔ばかりが募ります。結婚して2児の母親となり、手に取るようにkくんの母親の気持ちが想像出来て、どんな思いで病室のkくんと向き合っていたかと思うと・・10月にはさらに治療が進んでいましたが状態の悪化も進み私の準夜勤務の時、急激な呼吸不全で息を引き取りました。何の邪心もない素直な子どもの死は衝撃で、1年間成人の呼吸器内科でたくさんの肺がんの患者さんを看とってきた私でしたが、辛いとかそういうのだけではなくていろんな感情が溢れて処置をしながら涙がとめどなく流れてきました。でも亡くなった小さな命はここには存在しないけど、今も私の心で生きていて時々頑張れのエールをくれます。一生懸命に生きていたkちゃんの姿、生きる意味を教えてくれて20年経った今も私の心に存在しています。大切なことを教えてくれて本当にありがとう♡それから不思議なことに亡くなった子ども達の名前は今もフルネームで覚えています。みんな天国で楽しくしてるかな。病院ではなかなか一緒に遊べなかったけどまた看護師さんがおばあちゃんになってそちらに行くことがあったら一緒にあそぼうね。
それから看護師になって随分変わったと母親から言われますが、誰にとっても限りある命を大切に懸命に生きるとは何かを小児科にいた子ども達に教えられ、内科で自分が治療でしんどい時に新人の私に3年は頑張るんやで!なんて言って下さった肺がんの患者さんには支える気持ち、自分が苦しくても人を思う気持の優しさを教えられ、新生児科では500~600gで生まれた子どものか弱さと同時に、小さくても日ごとに大きく育つ姿に人の強さも感じ私の心も強くなっていったと思っています。看護師という仕事から多くを学ばせてもらった私。だからこそ自分の子どももですが、関わる子ども達には元気でも元気でなくても出来ることが沢山あることを伝えたいし、多少のことで挫けるな!って言いたい。でも一方で、挫けることもあるし、元気で学校に通うだけでも幸せだと思う自分もいます。とにかく健康あっての毎日。2学期は運動会や文化祭や修学旅行などなど沢山の行事もあって親子ともども疲れの出やすい時期です。無理せず具合の悪い時は受診下さいね。そして私にとっては亡くなった子ども達の遺志に思いを馳せ、自分の看護の姿勢を振り返る時期でもあります。子ども達の笑顔が増える様これからも院長はじめスタッフ一同努力して参りますので今後とももりわき小児科をよろしくお願い致します。
今月はちょっとしんみりおばちゃんナースM(゜_゜)